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ピルは不妊治療にも使われています

ピルと聞くと最も一般的な使用方法は避妊目的で使用することですが、それ以外にもピルを服用することで起こる身体の変化を利用して様々な治療に使われています。
そのひとつが不妊症に対する治療です。
不妊症になる原因にはたくさんのものがあり原因不明の不妊症も多いというのが現状ですが、子宮内膜症という病気も不妊症の原因になるものとして知られています。

子宮内膜症という病気は、本来は子宮の中だけに存在する子宮内膜の組織が、子宮以外の場所で増殖をしてしまうという病気で、多くの人がかかっている病気です。
子宮内膜症になると生理痛がひどく、生理の際の出血量も多くなることが多いようです。
また子宮の中の内膜組織が子宮から逆流して卵管を通り卵管をでてしまうと、卵巣のあたりまで行ってしまい、そこで増殖を始めてしまうことがあります。

子宮内膜が卵巣の側などで増殖を始めてしまうと、それが排卵の邪魔をしたり受精を妨げたりすることがあるため、子宮内膜症になると不妊症になるということが起こります。
子宮内膜症の程度によっては不妊症にならないこともありますが、なにも治療をしないと子宮内膜症が治らないこともあり、悪化していくと不妊症を併発してしまうリスクが高くなります。

女性の身体は排卵後に子宮の内側の組織である子宮内膜が徐々に厚く肥大していき、受精卵ができた時に備えて着床しやすい状態に変化していきます。
排卵が起こった後に、子宮の中ではこのような変化が起きていますが、受精卵が着床すると厚くなった子宮内膜は剥がれおちることなく、そのまま受精卵に栄養を渡して妊娠を継続させます。
しかし受精卵が着床しなかった時には、厚くなった子宮内膜は用がなくなるため、剥がれ落ちて身体の外にでます。

これが生理が起こる仕組みで、この時に剥がれおちた子宮内膜の組織の量が多いと、子宮から卵管へ逆流しやすくなり、子宮内膜症を起こすリスクが高くなると考えられています。
そのためピルを服用してホルモンを身体の中に入れて排卵が起こらないようにすると、子宮内膜が不必要に厚くなることがなくなり生理の際の出血量を抑えることができます。
ピルの服用方法は避妊目的で使用する時と同じで毎日決まった時間に飲み忘れがないように服用します。
服用方法を間違えると治療にならないので気をつけましょう。

ピルは避妊目的で使用されることが多い薬ですが、体内のホルモン量が安定するという利点を用いて生理痛の緩和や月経困難症の治療などにも使われています。
その中のひとつには不妊治療も含まれていて、子宮内膜症を治療することにより、不妊症を改善する効果が期待できます。

ピル以外の不妊治療の方法について

不妊治療としてはピル以外の方法として、最初に行うものにタイミング法があります。
これは、女性の生理周期を知り、基礎体温をつけたりしながら排卵の時期を予測するものです。
女性の身体は生理周期によって体温が微妙に変化しているので、毎日体温を測り続けることでいつ頃排卵が起こりそうかを予測できます。
また生理周期が安定している人の場合には、次の生理予定日から2週間前が排卵の時期になるので、そういった方法で予想することもできます。
病院では排卵予定日の前に卵巣の状態を見て排卵が起こる時期を予想します。
そして、排卵が起こるタイミングと丁度良いタイミングで性交を行うことで妊娠を成立させやすくします。

タイミング法を行っても妊娠しない時には、排卵誘発法といって内服薬や注射薬で排卵を起こさせる方法です。
これは排卵が順調に起きない方に使用されたり、人工授精や体外受精を行う際に使われる方法です。

そして人工授精法という方法は精子を採取して、それを人工的に女性の子宮内に注入して受精をしやすくするという方法です。
精子の異常があったりして妊娠しにくい場合や、タイミング法を行っても妊娠が成立しない場合に行われます。

さらに人工授精法でも妊娠が成立しない時には、卵子と精子を採取して人工的に受精卵を作る体外受精という方法が行われます。
受精卵を人工的に作り出した後に、女性の子宮内に受精卵を戻し、着床するのを待ちます。
人工的に受精卵を作り出しても着床することができなければ、妊娠を成立させることはできません。

これらの不妊治療にどれくらいの時間をかけるかは、それぞれの事情によって異なっており、不妊治療を始めた年齢が若く時間的に余裕がある場合にはタイミング法を何度か試しながら治療を進めていきますが、不妊治療を始める年齢が遅く、妊娠可能年齢の残りが少ない場合にはタイミング法を行わずにすぐに人工授精を行うこともあるようです。

また不妊治療には苦痛を伴うものが多かったり精神的な負担が大きくなることもあるため、一時的に不妊治療を中断して、しばらく休憩期間をおいた後に再開するような人もいます。
不妊治療は個々に合わせた方法で自分の負担にならないような方法を選択することが大切です。
経済的な負担も大きくなりますし、精神的に疲れてしまうと、それが妊娠に悪影響を与えてしまうこともあります。
カップルでよく相談してお互いにベストな方法を選択するようにしましょう。

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